情けないことにあたしの魂胆を真緒はすべてお見通しだった。
「ふふっ、あたし……バカみたい」
膝から崩れ落ちてその場にヘナヘナと座り込むあたしを真緒は冷めた目で見つめる。
すると、「真緒~!」とどこからか誰かが真緒の名前を呼んだ。
力なく顔を持ち上げると、真緒と同じような服装をした数人の男女が真緒に向かって手招きしていた。
「じゃあ、私、もう行きますね」
「あれ……アンタの友達?」
「はい。私の大切な友達です。中学には通えていないけど、NPO法人のフリースクールには毎日通っています。先輩は私がずっと家にひきこもってたと思ってるみたいだけど、違います。私は先輩が思っているより弱い人間じゃないんです」
真緒があたしに背中を向けて歩き出す。
「真緒……!」
呼び止めると、数歩歩いたところで立ち止まり、真緒が振り返った。
「真緒、ごめん。本当に……ごめん……」
声がかすれる。喉の奥から絞りだした声で謝ると、真緒が真っすぐあたしを見つめた。
「先輩。自分の人生は自分のものですよ。他の誰のものでもない。もちろん、親のものでもない。そろそろ、自分だけの人生歩むときじゃないですか?」
真緒はそう言うと、そのまま仲間の元へ駆けて行った。
ハァと大きく息を吐いて顔を両手で覆い隠す。
真緒はあたしなんかよりずっと大人だ。
自分のやってきたことがあまりにも幼稚すぎていたたまれない気持ちになる。
「ふふっ、あたし……バカみたい」
膝から崩れ落ちてその場にヘナヘナと座り込むあたしを真緒は冷めた目で見つめる。
すると、「真緒~!」とどこからか誰かが真緒の名前を呼んだ。
力なく顔を持ち上げると、真緒と同じような服装をした数人の男女が真緒に向かって手招きしていた。
「じゃあ、私、もう行きますね」
「あれ……アンタの友達?」
「はい。私の大切な友達です。中学には通えていないけど、NPO法人のフリースクールには毎日通っています。先輩は私がずっと家にひきこもってたと思ってるみたいだけど、違います。私は先輩が思っているより弱い人間じゃないんです」
真緒があたしに背中を向けて歩き出す。
「真緒……!」
呼び止めると、数歩歩いたところで立ち止まり、真緒が振り返った。
「真緒、ごめん。本当に……ごめん……」
声がかすれる。喉の奥から絞りだした声で謝ると、真緒が真っすぐあたしを見つめた。
「先輩。自分の人生は自分のものですよ。他の誰のものでもない。もちろん、親のものでもない。そろそろ、自分だけの人生歩むときじゃないですか?」
真緒はそう言うと、そのまま仲間の元へ駆けて行った。
ハァと大きく息を吐いて顔を両手で覆い隠す。
真緒はあたしなんかよりずっと大人だ。
自分のやってきたことがあまりにも幼稚すぎていたたまれない気持ちになる。



