トモダチ地獄~狂気の仲良しごっこ~

「――絆創膏下さい~!って、誰もいないじゃん!ラッキー!」

「やったね!疲れたし、ちょっと休憩してから体育館もどろっか」

「だね」

誰かがカーテンの向こう側であたしの存在に気付くことなくキャッキャと嬉しそうな声をあげる。

その声に聞き覚えがあった。

彼女たちの会話に耳を研ぎ澄ます。

「ていうかさ、さっきまた顧問のところに電話かかってきてたよ」

「え、誰から?」

「彩乃先輩ママ」

「マジで~?」

彩乃先輩……ママ?ってうちのお母さんのこと?

心臓がドクンっと不快な音を立てた。

「そうそう。ほら、あのママってモンスターじゃん?次の大会にスカウトマンが観に来るから彩乃先輩が目立つようにトスをたくさんあげろとかってバカみたいな命令したらしいよ」

「また~?お前何様だっつーの!」

「でしょ?だからさすがに顧問も頭にきて今回の大会は彩乃先輩をレギュラーにしていないって伝えたみたい。そしたら、泣き叫んで発狂だって!うちのクラスの子が職員室に行ったときに電話口から誰かが泣き叫んでる声が聞こえてきたって言ってたから間違いないね」

「あははははは~!あの親マジで頭おかしいよね」

二人の声に聞き覚えがあった。

二人ともバレー部の後輩だ。

しかも、そのうちの一人はあたしの代わりにレギュラーになった後輩。