藤原くんだってわたしのことを何も知らない。 そんな当たり前のことを突きつけられたみたい。 と同時に、自分でも不思議な熱い感情が胸の中からわきあがりそれが溢れないようにぎゅっと手のひらを握った。 農道の中をわたしと藤原くんがそろってアイスをほうばりながら歩く。 静かで心が休まる。 一面の菜の花の匂いが鼻に届く。 どうしてだろう。 あまり好きではなかった菜の花の香りを思いっきり吸い込んで思う。 ――なんだかちょっぴりいい匂いだ。