時間をつぶすために、のんびり話をする。
「ね、渡辺くんはコーヒーと紅茶ならどっちが好き?」
「麦茶」
「コーヒーと紅茶なら?」
「……紅茶」
「へえ。渡辺くんミルクティー好きそう」
「好きですけど」
このアンケート意味ある? って言われてしまったけど、いいじゃない暇なんだから。
きみはまったくもって進んで自分のことを話してくれないんだから、こっちから聞いたときくらい、たまにはわたしにきみの情報をください。
もうふたりきりなんだから、せっかくだしたくさんお話しようよ。
「好きな色は?」
「青」
「わたしは黄色が好きだな」
「ああ、高橋さんは黄色の持ってることが多いよな」
「えっバレてたの!?」
高橋さんは? って聞いてくれないことを見越して自己申告したら、予想外の返事が来てびっくりした。
「そりゃバレるだろ、ふたりしかいないんだから」
「たしかに」
神妙に頷いたわたしにちょっと笑って、「好きなラーメンの味は? 俺塩」と珍しく自分から話題を振ってくれた。
「わたしは味噌」
「塩がうまい」
「味噌だって美味しいよ」
今度食べに行こうか、と言ってみると、ああ、と気のない相槌を寄越した。
食べになんて行けないとわかりきっている静かな気のなさだった。
「ね、渡辺くんはコーヒーと紅茶ならどっちが好き?」
「麦茶」
「コーヒーと紅茶なら?」
「……紅茶」
「へえ。渡辺くんミルクティー好きそう」
「好きですけど」
このアンケート意味ある? って言われてしまったけど、いいじゃない暇なんだから。
きみはまったくもって進んで自分のことを話してくれないんだから、こっちから聞いたときくらい、たまにはわたしにきみの情報をください。
もうふたりきりなんだから、せっかくだしたくさんお話しようよ。
「好きな色は?」
「青」
「わたしは黄色が好きだな」
「ああ、高橋さんは黄色の持ってることが多いよな」
「えっバレてたの!?」
高橋さんは? って聞いてくれないことを見越して自己申告したら、予想外の返事が来てびっくりした。
「そりゃバレるだろ、ふたりしかいないんだから」
「たしかに」
神妙に頷いたわたしにちょっと笑って、「好きなラーメンの味は? 俺塩」と珍しく自分から話題を振ってくれた。
「わたしは味噌」
「塩がうまい」
「味噌だって美味しいよ」
今度食べに行こうか、と言ってみると、ああ、と気のない相槌を寄越した。
食べになんて行けないとわかりきっている静かな気のなさだった。


