終わる世界で、きみと恋の埋葬

もううまく口が動かなかった。


最後に一目会いたかったな。ああでも、こんなところなんて見られたくないから、やっぱりひとりでよかった。


支離滅裂な思考の端っこで、思う。


あすかくん。あすかくん。


きみが好きです。好きだったなんて過去にできない。過去になんてさせない。今も好きです。最期まで好きです。


わたしがいなくなったらって話は、怖くて最期までできなかったけれど、わたしがいなくなったらきみは悲しむかな。

泣くかもしれない。泣いたところなんて見たことないけど。


遺書でも書いておけばよかったかな。ああ、あの絵が遺書みたいなものかなあ。ごめんね、わたしは未練がましく、きみより先にいきます。


飛鳥くん。きみにあげたわたしの名前、きっと呼んでね。明日香って、呼んでね。そうしたら寂しくないでしょう。


ひょっこり戻ってはこられないかもしれないから、代わりに飛鳥ってきみの名前は、わたしがもらっていきます。

ごめんね。こわいんだ。名前だけでもそばにいてね。


どうかしあわせで。きっとしあわせでいて。


きみがうつくしくなる最期まで、どうか素敵なものやおいしい食べ物や失くしたくないものが、きみのそばにひとつでも多くありますように。

きみが、きみのおかげで寂しくないわたしみたいに、少しでも寂しくありませんように。


あすかくん。あすかくん。


きみが好きです。ずっとずっと好きです。好きです。大好きです。


「あ すか く ん」


——ああ、きれいだなあと、思った。





Fin.