応援団はどんな応援にするのかを考え、そして私たちに教えてくれてる。
それだけじゃなくて、私たち以上に難しいダンスもする。


夏休みの間、いっぱい練習したんだろうなって思うと、私も頑張らなきゃって気合いが入る。


「聖はできるの?」
「あー……まあまあってとこかな。ダンスなんてしたことなかったし」
「そっか」


できるならちょっと教えてもらおうかなって思ったんだけど……
諦めて自力でやろう。


そう思いながら水を飲んでいたら、聖が後ろ髪に触れた。


「何?」
「いや、暑くないのかなって。下ろしてるのもいいけど、熱中症で倒れられるのは困る」


聖は私の髪を上げた。
首元が涼しくなる。


「今、ゴム持ってなくて」


こんなに真剣に練習して、汗をかくなんて思ってなかったから、準備してこなかった。


「誰か持ってないかな」
「借りるの?」
「事情話せば貸してくれるだろ」


聖はそう言って、知り合いであろう女子の所に行った。


顔が広いな、聖。
私とは全然違う。


「ほら、借りてきた」


聖はその借りてきたゴムで結び始める。


「あの人……誰?」
「実行委員が一緒なんだ。快く貸してくれたよ」


……いい人だ。
なんで嫌な感じがしたんだろう。


私……知らない聖を見るのが嫌なのかな……


「ひなた?出来たぞ」