ただずっと、君が好き

さっき忘れられていたことをまだ根に持っているのか、夏希は怒っているみたいだった。


「少しくらい、ひなたのことも考えろっつーの」


ついでという感じで、小声で不満をこぼした。
私のことでも怒ってくれていたらしい。


さすが付き合いが長いだけあって、私のことをよくわかってる。


なんて、普通に考えればそう思ってるってわかるのかもしれないけど。


「……沙奈ちゃんは私の恋愛には、もう興味なくなってるからね」
「興味なくても、気持ち察することくらいできるじゃん。天形と気まずいってことくらい……」


夏希はそこまで言って、固まってしまった。
そして文字通り頭を抱える。


「夏希?」
「……ごめん、ちょっと言いすぎた。あー、最悪だ。なんでこんな嫌なとこが似てるんだ……」


沙奈ちゃんへの怒りの言葉の表し方に反省していることはわかるけど、何を嫌だと言っているのかわからなかった。


「誰と何が似てるの?」
「聖と。暴走するところ」


そうは言うけど、夏希のほうは暴走と言うよりも、私を一番に考えすぎなところがあるんだと思う。
とても嬉しいことではあるけど。


「沙奈だって思うことくらい……ある……よね?」


言いながら自信がなくなったのか、確認された。
人の気持ちだし、イエスもノーも言えない。


でも、今日の沙奈ちゃんはなんというか、何も考えていないような気がする。
ただひたすらに、文化祭を楽しみたいだけのような。


「まあいいや。ひなた、どうする?」