19時、海風が頬を撫ぜる丘でさよならを。



「さすがにココなら島の目もなさそうだね」
「あー、絶対無理! 都会すぎて近寄れない!」
「そういうもん?」
「島に出来たら大行列できると思うけどな、よそに出かけてアウェイな気分で入れる度胸はねーよ」
「なるほど。なんとなくわかるかも」
「それにしても、本当に人多いなぁー。すげー」

階段を上って、歩いてきた大通りが見渡せる大きなガラス窓のカウンターに座る。
表を見下ろして、純が目をきらきらと輝かせてる。

こんなに人が歩いているのを見るの、久しぶりだな……。