「…お、落としたん、です、か?」
「うん、昨日からなくって。だから昨日来たところを探して回ってるんだけどね」
「そ、なんですね」
「あはは、なんで敬語?」
「高校生かな、と…」


ちょっと怖そうで、とは言えなかった。

実際、高校生にも見えると思うし。


「ってことは中学生かぁ。何中?何年?」
「…南中、3年、です」
「おお、ナンチューかぁ。俺は北中3年!タメ!じゃ今から敬語禁止な!」
「えっ、今からって…」
「俺、純。 来栖純。お前は?」
「は?あ、っと、は、治田、祈梨」
「いのりかぁ、いい名前だな!よし祈梨!頼む、ちょっと探すの手伝ってよ」
「へ?ちょ、ちょっと…」