19時、海風が頬を撫ぜる丘でさよならを。

目を細めて愉快そうに笑う姿が、スポットライトに照らされたみたいに眩しく光る。

白いTシャツはオレンジ色に染まり、くっきりした目鼻立ちの良い横顔は、更に深い陰影で際立っていた。


なんて綺麗…


「綺麗だろ」
「えっ」
「真っ赤」
「違っ…!」


初めて会った男子の横顔に釘付けになっていたところを本人に気付かれるなんて、恥ずかしすぎて思わず頬を手で覆い隠した。

のに。

「ここから見る夕日。真っ赤で、綺麗だよな」
「えっ、あ、夕日!そう夕日!うん、綺麗だね!あはは」