「よかった、じゃあもう襲われないのよね」
「……いや、他の怨霊が桜華さんを狙うかもしれません」
「ほかの怨霊?」

あたしはそんなにも怨まれることをしたのだろうか。
よくわからない。

「何か、過去のことが関係しているのかもしれないですね。
 桜華さん、心当たりは?」
「そんなのあるわけないじゃない」
「ですよね……。
 桜華さんは怨まれるようなことしていらっしゃらなさそうですし」
「だから、なんで恨まれてしまったのかわからない」

ポツポツ
ザーーザーー

突然の大雨が神社を襲う。
たちまちあたしたちはびしょ濡れになった