「貴様、なにものだ。
 ここには普通の人間は入れないはず……」
「ただの霊能力者ですよ……」

駿……だろうか。
すぐそこで話をしているはずなのに、聞こえづらいのだ。
まるで意識が朦朧としているかのようだ。

「あいつなら、ここにいるよ。
 でも、手遅れかもな」

何が手遅れなのだろう。
反抗したいのに、声が出ない。
それどころか、瞼が重い。

そして、あたしの意識はまた、深い暗闇に落ちて行った。