いけない。つい頷きかけてしまった。


「明日になったら帰る……」

「帰んなくていい」


「だ、だめだよ。学校あるし……」

「今日は金曜だろ」


「だって無断外泊は禁止だし、学校にバレたら怒られるもん……」

「そんなリスク抱えてんのによく来たな」


 
響平に会いたかったからだよ……。
そんなこと言えるわけない。



「絶対、明日帰る。し、もうこの街には来ないようにする」

「……は?」


だって、これ以上好きになっちゃったら本気で取り返しのつかないことになるから。

響平と自分が釣り合わないことを抜いても、闇社会に生きる人とうまくいくはずがない。


感情の読めない瞳が私を見つめる。


「俺が会いたいって言っても会わねーの?」


響平はそう言いながら、また軽くキスを落とした。