「上がったら、先ベッドいってていいから」

「うん、ありがとう。……って、え?」



――ベッド!?


さっきも泊まるとかどうとか、たしかに言ってたけど。

べ、ベッドって……。



最近読んだ、少女漫画の少し刺激的なワンシーンが脳裏に浮かんだ。


いやいや、ないない……。

ただ、ひとつしかないベッドを仕方なく貸してくれるってだけだよ。



――そう思ってた。



あんなに熱くて、しんじゃうくらい甘い夜になるなんて――。

夢にも思わなかったんだ。