響平に初めて会った日、気になって調べたこの組織名は、ここの界隈ではかなり有名な、大きな闇組織の名称だった。


街を仕切っているという噂で、ときどき外部から流れこんでくる敵を容赦なく討ち払っているのだという。


まさか、響平が本当に麗然会の人間だったなんて……。



「──お疲れ様です」


扉を開けた先。

真っ直ぐに並んだ大勢の人の列に迎えられる。

その言葉は間違いなく、今、私の隣にいる人間に向けられていた。


思わず響平の背中に隠れた。

軽くパニック状態になっている。


だって、列をつくって響平を囲む人たちは響平より年上に見える人も多くて。

入れ墨をしている人も目立ち。


──そんな人たちの中央に堂々と立っている響平は

いったい何者なんだろうと。