ベッドに横になって天井を仰ぐ。


一番に心に浮かぶのは、やっぱり響平のこと。


あんなに重たい過去を抱えているなんて知らなかった。

正直、まだ理解できていない部分もたくさんある。




私とは生きる世界が違いすぎるから。


それでも一つ確かなことは、響平にとって、美月ちゃんは想像していたよりもずっと、大切な存在だったってこと──。



『またね』って言ったのは私なのに、もう自分から会いに行く勇気もなければ、本当に会える機会すら失ってしまった。



いい加減、そろそろ諦めたほうがいいよね。

そうは思っても、響平とのキスや体温を忘れられないから、当分は無理なのもしれない。