中指と人差し指にはめられた指輪が、固くて冷たい感触を与えてくる。

デザインは極めてシンプルで、中央に小さな文字があしらわれていた。



それからゆっくり視線を上げて、響平の顔を見る。

余裕のある表情を浮かべ、堂々とした立ち振舞いをするのに、気取っているふうには見えなくて。

話してみると気さくな感じが伝わってくる。本当によくわからない人。


ただ、彼の周りには人を惹きつけるオーラが揺らめいているのは間違いなかった。




少し前を歩く響平は

暗い夜道がとても似合う人だと思った。