どっから話せばいいんだろ。


響平とは中学のころ、鑑別で一緒になった。

……少年院の一歩手前、みたいなトコね。



俺が何して入った、とかは置いといて、まずは響平の家のことから話すと──。



あいつはもともと“街の外”の子どもで母子家庭だったの。
きょうだいはいない。


響平の母親は、生活のために毎日、ロクに休みもせずに働いてたんだって。


過労で倒れることも何回かあって……。



響平は母親にラクさせてあげたいって気持ちから、時給のいいバーの裏方でこっそりバイト始めるようになってさ
 

……母親には、適当に嘘ついてたみたいだけど。



でもそのバーってのが、ヤクザ組織と繋がってるところだったんだ。