今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -



「……え?」


何度もまばたきをしながら響平を見つめる。


「もう、手出さないって言ったじゃん」


拒んでるわけじゃない。



嬉しいけど、戸惑いのほうが大きいから、ついこんなことを言ってしまう。




「花畑でこーいうことするの、ロマンチックだろ?」


からかい交じりの艶っぽい笑顔は悔しいくらい綺麗で、そらしたいのに視線は釘づけ。

拒否することを忘れてしまいそう。


現実から目を背けて楽な感情に流されていく。

本当に、ふたりきりの世界になればいいのに。

時間が止まればいいのに。




「物足りないって顔してるな」

「っ、してない……」



これ以上ドキドキさせないで。

高鳴る胸にそっと手を当てた

──そのときだった。



ガンッ、と背後で荒々しい音が響いた。

びくりと肩が上がる。