だめだ、ドキドキしてしまう。
隣にいることに、真剣に説明をしてくれることに、花を見つめる瞳が、優しいことに……。
写真を撮る。
ピントがずれてしまって、もう一回。
今度は、アングルがイマイチで、もう一回。
3回目で、やっと綺麗なものが撮れた。
「見て、すごいいい感じに撮れたよ……っ」
響平に見せようと隣を向けば
──直後、パシャリというシャッター音がして。
「……ん。俺もいいの撮れた」
響平が柔らかく笑う。
手にはいつの間にか、スマートフォンが。
「今、何撮ったの?」
「言わねーよ」と言って答えてくれない。
私のほうに向けられている気がしたけど……。



