今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -



「出るなよ」


ドキッと心臓が跳ねる。


「でも、緊急の用事かもしれないし」

「……んなの知らねぇ……」



つかむ手に力がこもった。


迷っているうちにコールは止み、一時の沈黙。



「で。もっかい聞くけど、何したい?」


話したり、散歩したり、景色を眺めたり。響平が隣にいればそれだけで嬉しい。

そう伝えようとして、あることを思い出す。



以前、響平に会ったとき、結局できなかったことがある。



「響平の……花壇が見たい」

遠慮がちに見上げると、黒い瞳が柔らかく細められた。



「わかった。その代わり今日はもう、いきなり帰るとか言うなよ」


手を引かれながらゲストルームをあとにした