私のセリフを遮るように美月ちゃんはそう言った。



「国吉くんは1年生のときから瑠花ちゃんのこと好きだったんだし、絶対大事にしてくれると思う。ちゃんと応えてあげてほしいな」



……なにそれ。

涙が滲みそうになる。



好きな人と結ばれた美月ちゃんにはわからないよ、と叫びたくなる。

国吉くんと付き合えばいいとか、まるで私の気持ちを無視した言い方をしてほしくなかった。



たとえ叶わなくても、響平への気持ちは大事にしてたのに……っ。



嫌な思考が止まってくれない。

こんな自分が悲しかった。



なんとか繋ぎ止めただけのぼろぼろの心を、見せないように、悟られないように。


「わかった」


そう、ひと言返すだけで精いっぱいだった。



もう絶対にこんな思いはしたくない。

これ以上響平のことは考えたくない。