「す、すごい……」 ますます何者なんだろう。 結局出口まで送ってもらった。 街のどこか霞んだ灯りのせいで終始夢見心地だったけど、出口が見えると寂しさがこみ上げてきて、現実のことだと実感する。 「危ねーから、もうここにひとりで来んなよ」 「……、はい」 「もしこの約束破ったら犯すからな」 そう言って最後に小さく笑った彼の首元には 花の形をしたネックレスが光っていた。