「口封じで誰にでもそんなことすんの?」


「するよ
え?坂倉に好意をもってるとでも?
嫌だねぇー勘違い女」


「勘違い女?
わかった!尚更今日行かない
そして専務にちゃんと話す!」


「それはやめろ!
悪かった!ごめん」


「何度謝られても嫌なものは
嫌なの!」


その修羅場に須藤専務が通りかかった。


「あっ」
「あっ」


「喧嘩でもしてた?」


「え?」


「颯斗くんの謝る声が聞こえてきたから」


「あ。。。ちょっと」


「喧嘩するほど仲がいいって言うよね
それより坂倉さん今晩の話聞いてる?」


さっき言ってたことだ
「今聞きました それで揉めてます」
とでも言おうか・・・。


「あ・・・はい」


「坂倉さんが魚が
好きだからって聞いたから
活きのいい魚のお店を予約したよ
刺身の美味しいお店だから
夜までには仲直りしてくれよ
颯斗くん頼むよ」


「任せてください」
と颯斗が言うと専務はいなくなった。


専務に言おうと思えば言えたのに
「実は違うんです
あたし頼まれただけで」と
言うことができなかった。


「ありがとな」
突然感謝を述べられた。


「何のお礼?」


「専務に本当のことを言わないでくれたから
正直ドキドキしてた」


「ああ・・・言えなかっただけ
でもいつ言うかはわかんないよぉ」
と意地悪げに笑う私。


「脅す気か?」


「颯斗の出方次第?なんてね!
それよりあたしが魚が好きって?」


「お前が何を好きか?って聞かれたから
肉より魚ですって言っただけだよ」


うん 肉よりは魚がいい
昔からそれは言っていた
覚えてたの?私の好み。


「オレが魚が食べたい気分だったから
適当に言っただけだけどな」


やっぱり。。。
覚えてるわけでもないか。


「コリッコリの刺身食べれるしな」


そんなとこだろうと思ったよ。