今日も調子が悪いのか
颯斗は有給を出していた。


私は一晩考えて
颯斗が私に冷たい態度を取っても
気にすることなくない?
転職する必要なくない?
何年もここで頑張ってて
颯斗とのことで無駄にするなんて
もったいなくない?
颯斗に彼女が居ることが発覚して
失恋して辛いけど
現実から逃げる必要なくない?
就活を諦め有給を1週間取るのもやめた。



「あれ?有給じゃなかったの?」


「え?」


「課長が言ってたから
『坂倉は今週有給を取る』って」


「あ〜あ 必要がなくなったから」


「昨日さぁ
課長も無断欠勤だったから連絡したのよ
そうしたら調子悪いから休むって言われてね
その時に『坂倉に有給取るって
言われてたんだけど
ちゃんと処理してなくてごめん
有給請求しといてやって』って
あたし言われたんだ」


「あっごめんなさい」


ちゃんと有給を伝えてくれたんだ。


「2人して休むから一緒かと
思っちゃったフフフ」


「まさかぁー」


まさかと言いつつ
ドキドキの私。


それに追い討ちを掛けたのは
須藤専務だ。


「あっ!坂倉さん」
みのりさんと一緒なのに
声をかけてきた。


ヤバイなんだかヤバイ匂いがする。


「颯斗くんは少し良くなったかね?」


あちゃっ。。。やっぱり。。。


「あ。。。はい。。。なんとか」


もーどっちか
みのりさんか専務か
退散して!!!お願い。


「付いてなくて大丈夫なのか?
昨日は相当悪そうだったから」


「あたしがいなくても」
そばにはちゃんと居ますから。


「あっ!昨日はありがとうございました」


「いやいや
颯斗くんには世話になってるから」


須藤専務は
「颯斗くんを頼むよ」と
私の肩を叩いていなくなった。