あれから、外科の仮眠室
で告白するとうまくいくとか、大声で好きな相手の名前を叫ぶとうまくいくとか、妙な噂が流れ、仮眠室はパワースポット化しているらしい。


そして……

腔外のフロアーをうろつく俺の不審行動はいまだに続いている。


家に帰れば亜沙美と顔を会わせるが、白衣姿の勤務中のキリッとした彼女もたまらなく好きだからだ。

そんな俺を見て、腔外の女性スタッフたちはくすくす笑う。

「本当に長田先生のこと大好きなんですね」


こそりと話しかけてきた衛生士に俺はニヤリと笑いこう答える。

「好きで悪いか」と。





     ー完ー