クールな君と甘いキャンディ

そしてそのまま私の腕をギュッと掴むと、グイグイと引っ張りながら、逃げるようにその場を離れる明日香ちゃん。


「はー、ドキッとした。有村くん、日直だったんだ」


明日香ちゃんに言われて黒板を確認すると、確かに今日の日直のところに彼の名前があった。


なるほど。だから今、彼は黒板を消しに来たんだ。


黒板消しを片手に、丁寧に板書の文字を消す有村くんのことを横目で見ながら、明日香ちゃんが小声で呟く。


「なんかさぁ、有村くんってカッコいいけど、ちょっと怖いイメージがあるんだよね。近寄りがたいっていうか……。だから、喋るのいまだに緊張する」


「えっ。そうかな?」


「うん。だってなんか目つき悪いし、不愛想というか、クールじゃん? 一匹狼って感じで、あんまりみんなとも絡まないし」


「うーん……」


「それにほら、不良だって噂もあったじゃん。入学式の時に、ケンカしたとかなんとかって」