クールな君と甘いキャンディ

そんなことを考えながら待っていたら、いつの間にか前にどんどん人がいなくなる。


そして数分後、ようやく一番前にたどり着いて、パンを買う順番が回ってきた。


小さなカゴを手に取り、中に焼きそばパンとサンドイッチを入れ、カウンターの上に差し出す私。


よかった、やっと買える。


「えっと、これください」


「はい。450円ねー!」


購買のレジのおばちゃんが、元気な声で合計金額を口にする。


だけどそこで、私がさっそくお金を払おうとしたら、ふとあることに気が付いて、ハッとした。


……あれ? ない。


ウソでしょ。財布が、ない!


慌てて購買まで走ってきたから今まで気づかなかったけれど、なんと私、財布を持ってくるのを忘れてしまったらしい。


手ぶらで買い物に来るなんて、バカにもほどがある。


一気に頭の中が真っ白になった。


「あ、えっと、あの……」