「……でもね、いいの。
葵には幸せになってほしいから。

いいなぁ、葵と晒名は。

私も、、、、、

アンタたちみたいにたった一人の運命の人に出合いたーい!
はじめてのチュウも、はじめての男もたった一人の運命の人だけでいい」

長田の瞼がだんだんと落ちていく。

「おい!こんなとこで寝るな、長田!」

目の前で、隣の女の話より
俺たちの会話に耳を傾けていた湊がプッと吹き出した。

「おっもしれー女」
眠りかかる長田に湊が話かける。
「なぁ、男は生涯一人だけって言うけどそいつが下手くそだったらどうすんだよ」

「うん?
下手くそ?んー、、、いいの。だって一人だけだから比べ用がないじゃない。
ふふっ下手だろうがなんだろうがわかんないんだもん、大丈夫。
私と一緒にせいちょーすればいいのっ!」

ふにゃふにゃとテーブルに長田は突っ伏した。