次の日から抗ガン剤治療が始まった…
こんなの楽勝でしょ!なんて思った自分に後悔する。
本当に楽勝だったのは、たった1日前の事。
吐き気、発熱、関節痛。はまだ良かった…一番最悪だったのは、髪が抜ける事だ。気付いたら枕が黒い物で覆われていて、手に取るとそれは自分の髪の毛だった…
「姉さん…」と龍達はいつも悲しそうな顔をする。
「大丈夫だから、ね?」私は必ず笑って返す。

そんなある日の事だった…
「蓮お姉ちゃん!」と藍が私の病室に飛び込んでくる。
「藍?どうしたの?」と私は聞いた。
「あのね?…」と藍が半泣きで言った。
その言葉に、私は納得した。