佐野君を乗せた車はやがてどこかで停車した。


教師に腕を掴まれた状態で、佐野君が車から降りる。


するとまた画面は切り替わり、車から出て来た佐野君と海が見えた。


しかしそこは泳げるよう海岸ではなく、断崖絶壁のガケだった。


「なにすんだよ！」


再び教師２人に両脇を拘束され、無理矢理歩かされる佐野君。


「いいか、よく聞け！」


教師の１人がモニターへ視線を向け、怒鳴るように言った。


「ここはサメの出没区域だ」


その言葉に佐野君が青ざめた。


「ここから落ちるとどうなるか、お前ら全員よく見ておけ！」


そう言うと同時に、教師２人が佐野君の体を引きずるようにしてガケに向かって歩き出したのだ。


「おい……嘘だろ！　なにすんだよ！　離せ！！」


モニター上で佐野君が激しく暴れはじめる。


しかし、教師２人の力を振り払う事ができない。