本当なら、あたしだってそっち側の人間になりたかった。


でも、もう遅い。


ここまで来てしまったのだから、とことんやり切るしかないのだ。


視聴者が喜ぶように……。


あたしは大股で3組の教室へと向かった。


麻子ちゃんもそれについてくる。


教室内には机に脚を置いて座っている生の姿があった。


あたしを見るなりざわめきに包まれる3組の教室内。


あたしは麻子ちゃんに自分のスマホを渡した。


麻子ちゃんは無言で、受けとり、動画撮影を開始する。


大股で生の机へと向かうと、生はめんどくさそうな顔をこちらへ向けた。


「今日はあたしがあんたをイジメる番だから」


自分の声が怒りで震えているのがわかった。


昨夜の出来事が脳裏でリピート再生されている。


生だけの責任じゃないと理解していても、我慢できなかった。