教室へ戻ってきたあたしの胸の奥は重たいままだった。
渚の言う通り、この学校で真面目でいることにはなんの意味もないのかもしれない。
高校入学と同時に変わろうと思っていたけれど、変わらない方が非情になれていいのかもしれない。
そんな考えが浮かんで来ていたのだ。
「ちょっとやめて!」
自分の席でボーっとしていると、美文の悲鳴が聞こえてきてハッと我に返った。
見ると渚が美文の髪の毛にハサミを入れているところだった。
「ちょっと渚!」
あたしは咄嗟に立ち上がり、2人に駆け寄った。
「なに? 今から美文を綺麗な坊主頭にするんだから、邪魔しないでよ」
そう言ってあたしを睨み付ける渚。
「いくらなんでもやり過ぎだよ!」
「やり過ぎ? なに言ってんの? あんただって同じことしてたじゃん」
そう言われてあたしはグッと喉の奥に言葉を詰まらせた。
確かに、中学時代に1人の女子生徒へ行ったイジメと同じだった。
ハサミでバラバラに髪を切られたあの子は、その後学校へ来なくなった。
渚の言う通り、この学校で真面目でいることにはなんの意味もないのかもしれない。
高校入学と同時に変わろうと思っていたけれど、変わらない方が非情になれていいのかもしれない。
そんな考えが浮かんで来ていたのだ。
「ちょっとやめて!」
自分の席でボーっとしていると、美文の悲鳴が聞こえてきてハッと我に返った。
見ると渚が美文の髪の毛にハサミを入れているところだった。
「ちょっと渚!」
あたしは咄嗟に立ち上がり、2人に駆け寄った。
「なに? 今から美文を綺麗な坊主頭にするんだから、邪魔しないでよ」
そう言ってあたしを睨み付ける渚。
「いくらなんでもやり過ぎだよ!」
「やり過ぎ? なに言ってんの? あんただって同じことしてたじゃん」
そう言われてあたしはグッと喉の奥に言葉を詰まらせた。
確かに、中学時代に1人の女子生徒へ行ったイジメと同じだった。
ハサミでバラバラに髪を切られたあの子は、その後学校へ来なくなった。