#プロローグ

…なぜ、私は今こんなにも泣いているのだろう。
悲しいことなんて何一つないのに。
濁った空に、どんよりとした空気。いつもなら大好きな天気なのに。
なのになんで…なんでこんなにも涙が止まらないの…??
「助けて…助けてよ、りく…。」
腕を伝う鮮血が、ポタリ…ポタリと床に落ち、紅色に染まった水たまりを作っていく。
普段なら見ていて落ち着く光景なのに…どうして落ち着かないの…?どうしてこんなにも心が苦しいの……??
「会いたい…あいたい……りく…わたし、やっぱり、あなたのかのじょにはふさわしくないみたい………」
そう呟いた瞬間、私の目の前は真っ黒に染ったのだった。