「……ぱい、先輩、大丈夫?」





体を軽く揺すられ一気に覚醒する。

「ん、んん…、ええっ…、あれっ、私、寝てた?」

私…、いつの間にか眠ってたんだ。

それも会社のデスクに突っ伏して。

やっちゃったなぁ。

「大丈夫…ですか?」

まだハッキリとしない頭で声のする方に振り返るとーーー

「あっ、……佐々木くん。外回りから帰ってきたんだ。」

出張中の課長に頼まれた仕事を一人残ってやっていたんだけど、いつの間にか眠っていたらしい。

それ以外にもいくつか仕事を抱えていてそろそろ疲れがピークかも。

にしても、、、

後輩である佐々木くんに失態を見られるとは。

て言うか私、なんであんな夢…

確かに三年と少し付き合ってた彼と先月別れたばかりだし、それ以前にちょっとしたすれ違いからお互いの気持ちが既に離れつつあったのも事実。

だからといってなんで夢の中に佐々木くんが…

しかも4つも下の後輩なのに…

あんなことやこんなこと…

「うわッ。」

夢の中での出来事を思い出し思わず声が出た。

「大丈夫ですか?」

佐々木くんが心から心配そうな声で聞きながら私の顔を覗き込んでくる。

それでふと気づいた。

あ、眼鏡…

どうやら眠ってしまう時にいつの間にか眼鏡を外してしまったらしい。

普段、会社ではずっと掛けているーーー

伊達眼鏡を。