そしてエルグは『裏切者』と呼ばれ、国を離れた。
その後は、狩人に捕まり見世物として売り飛ばされたり、情報屋に利用されたり、ろくな事は無かった。
「命を助けてくれたエルグに何の恩義も感じないのか?」
セレはスヴィアに訊いた。
「恩義?そいつは私を殺す為にこの城に侵入したのだ。元より敵だ。敵は倒さねばならん。」
「今は?俺達を敵と思うのか?」
「いや。殺気は感じられん。しかし危険な存在ではある。…特にお前はな。何せ『竜のルビー』が効かぬのだから。
エイダ。こいつを魔法使い用の牢に入れておけ。」
「はい。」
エイダは、返事をするのと同時にエルグに視線を向けた。
『またか』とセレはエルグから距離を取ったが
「あっ!」
エルグが羽交い締めにしたのはピアリだった。
「痛い!」
ピアリの腕がミシッ、と小さな音を立てた。
「貴様が何か魔法を使う素振りなど見せたら、彼女の腕を折らせるぞ。」
「……」
セレはエイダを睨んだが、大人しく言いなりになるしかなかった。
エイダに連れられて、地下牢への階段を降りた。
すぐ後ろにはピアリを抱えたエルグがついて来た。
その後は、狩人に捕まり見世物として売り飛ばされたり、情報屋に利用されたり、ろくな事は無かった。
「命を助けてくれたエルグに何の恩義も感じないのか?」
セレはスヴィアに訊いた。
「恩義?そいつは私を殺す為にこの城に侵入したのだ。元より敵だ。敵は倒さねばならん。」
「今は?俺達を敵と思うのか?」
「いや。殺気は感じられん。しかし危険な存在ではある。…特にお前はな。何せ『竜のルビー』が効かぬのだから。
エイダ。こいつを魔法使い用の牢に入れておけ。」
「はい。」
エイダは、返事をするのと同時にエルグに視線を向けた。
『またか』とセレはエルグから距離を取ったが
「あっ!」
エルグが羽交い締めにしたのはピアリだった。
「痛い!」
ピアリの腕がミシッ、と小さな音を立てた。
「貴様が何か魔法を使う素振りなど見せたら、彼女の腕を折らせるぞ。」
「……」
セレはエイダを睨んだが、大人しく言いなりになるしかなかった。
エイダに連れられて、地下牢への階段を降りた。
すぐ後ろにはピアリを抱えたエルグがついて来た。

