「とにかく行きます。」
セレは紫色のペンダントを取り出し、短い呪文を唱えた。
「南西の方向にいるな。」
ペンダントトップが向いている方だ。
「あんたは魔法使いなのかい?」
アンナは珍しいものを見る目で言った。
「ええ。」
「初めて会ったよ。スザールにはほとんどいないからね。何処から来たの?」
「ロストーク。」
「…ロストーク…芽生えって意味だよね。いい国だって聞いてるよ。王都の運河は見事だそうだね。」
「良くご存知ですね。ええ。美しい所です。」
「この国もロストークみたいになればいいのにねぇ。」
「スザールも国土は豊かだ。きっと良くなります。…こちらの国王陛下は今はどうしていらっしゃるのでしょう?」
「さあねぇ。スヴィアが幅を利かせるようになってからは、国王様を見たことが無いね。」
「お后や御子息は?」
「幸か不幸かまだ独り身だったんだよ。まだお若いしね。ちょうどあんた位だね。」
あんた位、と言ってもセレは実年齢よりも少し上に見えるから、25, 6才といったところか。
「先王が早くに亡くなったから、幼い頃から王位についていたんだ。」
エルグが言った。
セレは紫色のペンダントを取り出し、短い呪文を唱えた。
「南西の方向にいるな。」
ペンダントトップが向いている方だ。
「あんたは魔法使いなのかい?」
アンナは珍しいものを見る目で言った。
「ええ。」
「初めて会ったよ。スザールにはほとんどいないからね。何処から来たの?」
「ロストーク。」
「…ロストーク…芽生えって意味だよね。いい国だって聞いてるよ。王都の運河は見事だそうだね。」
「良くご存知ですね。ええ。美しい所です。」
「この国もロストークみたいになればいいのにねぇ。」
「スザールも国土は豊かだ。きっと良くなります。…こちらの国王陛下は今はどうしていらっしゃるのでしょう?」
「さあねぇ。スヴィアが幅を利かせるようになってからは、国王様を見たことが無いね。」
「お后や御子息は?」
「幸か不幸かまだ独り身だったんだよ。まだお若いしね。ちょうどあんた位だね。」
あんた位、と言ってもセレは実年齢よりも少し上に見えるから、25, 6才といったところか。
「先王が早くに亡くなったから、幼い頃から王位についていたんだ。」
エルグが言った。

