「何も知らずに兄様の優しさに包まれていればいい。
だが、私はそうはいかない。
それでは気が済まない。…兄様の心を知る者として、何かしたいのだ。兄様の為に。
いつだってそう思っていた。…だから、せめて私には全てを話してほしかった。」
「…そうでしたか…」
「で?兄様は今は何処にいる?」
「…わかりません…」
「わからないだと?無責任だな。」
明らかに責める口調だ。
ヤールはセレとは違い、気性がやや激しい所がある。
「…旅に出ております。」
言いづらそうにローエンは答えた。
「旅?一人で?」
ヤールの視線は鋭かった。
「実は…」
ローエンは、セレが自分の娘と旅をしている事を話した。
それを聞いたヤールは隣に控えているタリヤに呼びかけた。
「タリヤ。」
「はい。」
「兄様を捜せ。離宮に戻って頂く。準備が整い次第、出発しろ。」
「承知致しました。」
タリヤは恭しく頭を下げた。
だが、私はそうはいかない。
それでは気が済まない。…兄様の心を知る者として、何かしたいのだ。兄様の為に。
いつだってそう思っていた。…だから、せめて私には全てを話してほしかった。」
「…そうでしたか…」
「で?兄様は今は何処にいる?」
「…わかりません…」
「わからないだと?無責任だな。」
明らかに責める口調だ。
ヤールはセレとは違い、気性がやや激しい所がある。
「…旅に出ております。」
言いづらそうにローエンは答えた。
「旅?一人で?」
ヤールの視線は鋭かった。
「実は…」
ローエンは、セレが自分の娘と旅をしている事を話した。
それを聞いたヤールは隣に控えているタリヤに呼びかけた。
「タリヤ。」
「はい。」
「兄様を捜せ。離宮に戻って頂く。準備が整い次第、出発しろ。」
「承知致しました。」
タリヤは恭しく頭を下げた。

