「川の字で、寝たいっ」
ボソリ、とあげはが呟いた。

川の字ってあげはを挟んで寝ろってこと?

まじか。
「だって、家族みたいだもん。
昔はね、お父さん、お母さんと川の字で寝た。
毎日が、幸せだった。

でもねーーーー死んじゃったから。
一人になって、学校もやめて、メイド喫茶で働いた。嫌な想いも怖い想いもした。

たくさん、大切なもの失った。
だからね、みんなに出会えて幸せなのーー」

いつしか、止んだあげはの声。
覗き混んだら疲れたのか、もう寝てるあげは。

3つ並んだ布団のうち、真ん中にあげはを寝かせた。



"川の字で寝たいな、だって家族みたいだもん"


少しでも叶えてあげたい。