そしてーーーー紅牙の総長である彼は敵同士だった。


みんなが暁を嫌いでもーーーー
一生切れない幼馴染みだ。


「ーーーーあ、弥勒。
あげはちゃんと龍の真っ最中の声聞く?」

コイツはマジで変態ではとーー。
常々思っている。



「いや、いいよ。
それ、しんどいからーー」

「まあ、しんどいわな。
変態じゃないと、聞かないわな。
そう、変態じゃないとーー」

何回も変態というのは白。


確かに変態じゃないと、聞かないわな。

「なんだ、残念ーーーー。
今、いいとこなのに。
可愛い声、あげはちゃんっ」


ーーーーピク。
ピク、ピク、ピク。



「ーーーーあのさっ、聞いてて物悲しくならない?いやじゃん、他の男とって、黒だってあげは好きだろ?」


ユウが真剣過ぎて尻込みする。

「好きだから聞いて、諦めたいーーーー。
諦めつけないと、前に進めないーーーー」


意外に真面目な黒に、びっくりしてると白が頭を撫でた。