「大丈夫、ありがとう。
助けてくれて無事だよっ」


30代ぐらいな優しい医師は、微笑んだ。


胸に、包帯を頑丈に巻かれた暁はーー
うっすら、目を開けた。


「あげはーーーー。
一回死んだみたいな感じがした。


生きて今までのこと、償うよ。
助けてくれて、ありがとうーーーーっ」



一回死んだみたいな感じーーーー?

それならーーーー。



「生まれ変わって、今度は道を外さないで生きて。

それが、あたしへの償いだよっ」



簡単に許せなかったことが、意図も簡単に許せてしまう。


「わかったーーーー。
ありがとなっ」




人間って不思議。







「暁ーーーー、どうせ当分入院だろ?
遊び来いよな、昔みたいにさあ」


きっとーーーー二人は仲が良かった。

「ああ、毎日でも行ってやるっ」


和解したことが、こんなにも清々しいなんてーーーー不思議だ。