「龍、あげは怖がらせないでよ?
おいで、あげは!!」

え、あたしですか?今呼ぶ?

あたしは、顔半分出して玄関を見た。
あ、いる。
龍がいる。

やっぱり怖い。
近づきたくない。

勇気を出してまた一歩、また一歩。

龍との距離は近いけど、あたしは白の背中に隠れた。


「なんで、隠れる?」

龍の不機嫌な声。
聞こえただけで、ビクつく身体。
「そんなの、龍が怖いからに決まってるじゃん!」

白、お願いだからはっきり言わないで!

「あ?なんだと?」

ほら、ほら、めちゃくちゃ怖いから。

凄みがやばい。
本気、怖い。
前向けない。

絶対無理だ!!