その時ーーーーユウの電話が鳴った。

ベッドの上に置いてある電話を、俺は出た。


「"大変だ、龍にバレた。
あげはちゃん匿え!!
龍が、何するか、分かんない!"」


焦った黒の声。

「"もっと早く電話しろよ。
今龍とユウが格闘中だ!!
そうだ、ナースコールっ!"」


気づいたナースコール。
押したら、ものの数秒で異変に気付いた看護師達が、ぞろぞろやってきた。



「誰ですか!?
警察呼びますよ!!」



一人の看護師が、叫んだ。



「ーーーーッ、レイ。
許さねーからな、絶対にあげはを奪うからな!」


どうしてーーーーこうなるんだよ。

暗闇の中ーーーー、病室を出て行く後ろ姿を見た。


「大丈夫ですか?
あなた、真っ青ーーーー。
ちょっと、点滴っ」


グッタリとしたあげはが居て、ギュと拳を握った。

やるせない気持ちが沸き起こり、怒りも一緒にこみ上げた。



「"黒、県警に頼んで病室を強化しろ。
あげはを守れっ"」


これしかない。

龍からあげはを遠ざける方法は、これしかない。

「"いいのか?
仲間だよ、俺達"」


仲間ーーーー。



そうだよ。
仲間だよ。


「'"仲間だけど、あげはを傷付ける奴は、仲間じゃないーーーー"」



信じられないーーーー。


龍が、あげはを傷付けるなんて。