「"そんな、早く来なくていいよ。
急いでくんなし。
あ、後ーーーー俺があげはを守るから、龍は守らなくていいよ。
じゃあな、うるさいから切るよ!"」



ブチッ。

はあ〜、とため息を吐き出した。

「白?今の龍だよね?
なんか、怒ってなかった?」

受話器から聞こえた怒鳴り声。
あれは、まさしく龍だった。


ピンポーン。

「あ、なんか人来た!」
あたしが、玄関に向かう最中。
グイーー、と引き戻される。


「俺が出るよ。
誰だか分かるから」

誰?

もしかして、龍?
まさか。
まだ、五分も経ってないしありえない。

「早すぎ、焦りすぎだろう」

白、誰かと話してる。


「心配で悠長にしてられるか。
あげは は?」

やっぱり龍だ。
やだな、龍苦手なんだよね。

「いるけど、あげはーー龍怖いみたいだし。
上がってこなくていいから。
とりあえず、はい荷物」

いつの間にあたしの荷物。