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気づいた時、あたしは救急車の中にいた。

手を握って居たのはーーーー龍じゃない。

「旬ーーーーっ。
レイくんはーー?」

「大丈夫、レイはあれぐらいじゃどうにもならない。大丈夫だ。
それより、大丈夫か?

身体、震えてるっ」


あ、、あたしーーーー。

龍が、あんなに冷たいの初めてだった。

"龍神の姫に手を出すから、バチが当たったんじゃない?"ーーーー。



氷の様に冷たい瞳ーーーー。

いつもより数倍低い声。


「怖かった。
あたし、あんな龍知らないっ。」

「ーーーー今、レイも病院向かってる。
大丈夫。
大丈夫だからっ」


旬ーーーー。

旬の優しさに触れて、また涙がこみ上げた。









手術室に入ってく、レイくんを仲間達は見守っていた。
その中に、龍は居なかった。


「龍はーーーー?」


誰も何も言わない。



ガンッーーーー。



壁を殴って悔しそうなユウくんがいた。


「チクショウ、龍の奴許さねー!」


ユウくんーーーー。