黒が怒鳴っても尚、龍の冷たい瞳は、変わらない。


龍ーーーー?


「龍神の姫に、手を出すからバチが当たったんじゃない?」


冷たい龍の瞳ーーーー。










パシンッーーーー。






気付いたら、あたしは龍を殴っていた。







「ひどいよ、龍!!
仲間なのにーーーーそんなん言う龍なんか嫌いッ




あたしは悪くないーーーー。
龍がひどい。



「やっ、離して!?」

あたしは、龍に強引に押し倒されていた。




「誰が彼氏か、分からない様ならーーーーここでしちゃう?」

怖いっ。



動かない両手。


「いたっ。
やっ、離して!?」

.





「何してんだよ、龍!!
やめろよ!」







旬が引き離してくれて、その胸の中のあたしはーーーー泣いてしまう。


遠くから、聞こえる救急車の音。




あたしの泣き声を搔き消す様に、救急車は到着した。