ーーーー!?


涙なんか、一瞬で引っ込むよーーーー。

「ーーーー!!何してんだよ!?」

マイクなんか、通さなくても龍の声は倉庫内を駆け巡る。


胸倉を掴み、怒鳴る龍にあたしは一歩、また一歩後ずさる。

怖いーーーー。


龍が、怖いーーーー。









「あげはちゃん、危ないっ!!」




えっーーーー?



身体が宙に浮いた。


階段を踏み外してしまった。



「きゃっ!」




二階と言えど、下はコンクリート。


落ちたら、ただでは済まない。


怖くてギュッ、と目を瞑ったらーーーー誰かにギュッと抱き締められた。













ガシャーン!!







鈍い金属音の音。




「ーーーーッ!
あげはーーーーっ」





違う、龍じゃない。




「レイくん!?
しっかりして!!
レイくんっ!」


あたしを庇った?


「ーーーー怪我な、い?」


あたしは軽く擦りむいた程度。

「痛かった?
ごめんーーーーね。
良かった、無事でっ」



良くないよ。

あたしなんか、庇うからーーーー
レイくんが、怪我して。


「おい、大丈夫か2人共!!
ちょっと救急車!!」

倉庫内は、パニック状態。