「大丈夫ーーーーっ。
泣くなよっ、あげはっ。
こっち、向いてっ」


嫌だ嫌だーーーー恥ずかしい。
ギュッ、と強く目を瞑ったままで居たら涙がポロッと流れ出した。


一瞬ーーーー、龍の手が止まった。

やめてくれた?



「離せよ、レイ」





それは低く冷たい、龍の声。


ひどく冷たいその声は、あたしに向けられた言葉じゃないーーーー。


龍の手を掴んでるレイくんが居た。




「レイくんーーーー?」



そうだよ、レイくんだよ。
さっきまで、遠かった彼がなんでここに居るのか理解出来ない。


不安ーーーー?

安心ーーーー?


「龍、泣いてるのに、無理矢理キスするのはどうかと思うよ?」



黙っていたレイくんが、語り出した。


「お披露目のキスはどこの族でも、してることだ」



そうなのーーーー?

「そうじゃあさ」

レイくんに引き寄せられーーーー

ポロポロ流れる涙に、、キスをされた。