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加速するドキドキ。
高いところに立つあたしは、隣にいる龍を見上げた。


50人は、いるであろう。
カラフルな頭が、勢揃い。

「はい、あげはちゃん自己紹介して!」


え!自己紹介ーーーー?

学生時代からあがり症なあたしは、渡されたマイクに内心、パニック状態だ。


「えっと、月乃あげはと言います。
年は15歳になったばかりで、龍とはまだ付き合ったばかりで、ーーーー仲良くーーして下さいねっ」



あたしは、マイクを黒に渡した。


どうしていいか分からないあたしは、ニコニコ笑顔で締めた。


マイクを渡した今も、心の中がドキドキでやばい。

緊張から、つい涙目になってしまう。


「「「ーーーー!?」」」


ん?


会場が、何故だか動揺しているのが、分かる。


「あげは、何泣いてんの?
そんな目で、男見るなよっ」

そんな目ってどんな目?
考える時間は無くーーーー進行は進み。


「では、龍からキスタイム!!
どうぞッ!」


えっーーーー?
キスタイム?
あたし、そんなこと聞いてないよ?

近づく龍。




「やっ、龍。
あたし、キスなんて聞いてないよ?」


「ーーーーあ、言うの忘れてた。

大丈夫、優しくするからっ」

ーーーー!!


そうじゃないよーーーー。

こんなたくさんの人が、みてる前でキスとか。

絶対、嫌!!


あたしは思わず、レイくんを見た。
恥ずかしさから、涙目になってゆくーー。