神様はいない。

やっぱり、あげはを仲間に合わせなきゃ良かった。

バタンっーーーー。


レイが出て行った音が聞こえた。



「レイ、どうした?」

微かだけどユウの声が聞こえた。





「こんな気持ち、最初から無きゃいいのに!
なんなんだよ!「おい、どうした!?」


レイの怒鳴り声。
珍しいユウの焦った声。


「なんで、お披露目なんかすんだよ!!
俺は嫌だからな!!
あげはが、他の男とキスすんの!」




レイーーーー。





やっぱり、合わせなきゃ、良かった。
いつだって人に無関心だったレイが、初めて人を好きになった。



嬉しい様で複雑だった。
複雑過ぎて、耳を抑えた。

何も、聞きたく無いーーーー。


何も、知りたく無いーーーー。


誰かの気持ちなんか、いらない。

「ーーーーあげは。
絶対、揺るがないで。
誰にも揺るがないで。
渡さないからーーーーっ」

寝ているあげはの髪を、撫でた。

「ーーーー龍?
どうかした?」

少し正常に戻りつつある、あげは。


「あげは、は誰が好き?」

「龍に決まってる。
なんで?」


ほら、ちゃんと好きで居てくれてる。

「あげは、キスしていい?」

「聞かないでっ。ーーっ」


恥ずかしそうなあげはに、キスをした。

無我夢中で、キスをした。

「ーー龍っ!ンッ」

愛してるーーーー、そうキスで伝える様に。

「離してやらないからなっ」

そう、呟いた。


*龍side終わり*